X-S20とX-T50は、富士フイルムのXマウントで「ボディ内手ブレ補正を積んだ、小さいほうのカメラ」です。補正の効果はどちらも7段(メーカー公表値)。違いは画素数と操作系で、X-S20は2610万画素とバリアングル液晶、X-T50は4020万画素とフィルムシミュレーションダイヤルという組み合わせです。本体はX-S20が約491g、X-T50が約438gです。
レンズ選びの前提は2機種でほぼ共通なので、この記事ではまとめて用途別に選びました。仕様の数値はメーカーの公表値です。
結論:目的別の1本
| やりたいこと | 選ぶレンズ | 質量 | 35mm判換算 |
|---|---|---|---|
| キットの標準を1本 | XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR | 240g | 約24-76mm |
| 明るい標準ズーム | SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 290g | 約27-75mm |
| 1本で旅行も望遠も | XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR | 490g | 約27-206mm |
| 望遠を足す | XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR | 580g | 約107-457mm |
| 軽く持ち歩く単焦点 | XF27mmF2.8 R WR | 84g | 約41mm |
キットで買うならXF16-50mmが基準になります。そこに望遠か明るい単焦点を1本足すのが、いちばん満足度の高い増やし方です。
2機種でレンズを選ぶ前に知っておきたいこと
7段の手ブレ補正があるので、OISなしのレンズも選べる
どちらもボディ内手ブレ補正が7段です。レンズ名にOISが付かない単焦点やサードパーティー製でも手ブレを抑えられるので、軽くて写りのいい小型レンズを気兼ねなく選べます。OIS付きの望遠では、ボディとレンズの補正が一緒に働きます。段数の意味は手ブレ補正の「段数」とはで説明しています。
X-T50の4020万画素は、レンズの解像を試す
X-T50の画素の細かさは、フルサイズに当てはめると約9000万画素に相当します。トリミングの余裕は大きい一方で、レンズの解像の差も写真に出やすくなります。等倍で見ることが多いなら、XF16-50mmやXF16-55mmのような新しい設計のレンズを選ぶと差が出ます。X-S20の2610万画素なら、古いレンズでも粗が目立ちにくく、選択肢は広くなります。
キットレンズの違いを押さえる
X-T50のキットはXF16-50mmF2.8-4.8、X-S20のキットはXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZかXF18-55mmF2.8-4です。XCは軽くて安い代わりに絞りリングがなく、外装も簡素です。長く使うなら、XF16-50mmかXF18-55mmを選んでおくと後悔が少なくなります。
標準ズーム:最初の1本
XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR:240gの新しい標準
約240gで、広角端は24mm相当と広め。防塵防滴で、最短0.24m・最大0.3倍まで寄れます。開放F値はF2.8からF4.8へと変化しますが、四隅までの解像は新しい設計らしく安定していて、4020万画素のX-T50でも粗が出にくい1本です。古いXF18-55mmF2.8-4 R LM OISとの違いは比較ページにまとめました。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS:望遠側が明るい定番キット
約310gで、望遠端でもF4を保ちます。長く定番だったキットレンズで、中古の数も多い1本です。OISを内蔵しているので、ボディ内補正と合わせるとさらに安定します。広角端は27mm相当と、XF16-50mmより少し狭くなります。
SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN:全域F2.8を290gで
約290gと軽いまま、ズーム全域F2.8を手に入れられます。最短0.121mまで寄れて最大0.36倍の接写もでき、キットと同じ感覚で持ち歩けるのが強みです。レンズに補正はありませんが、7段のボディ内補正があるX-S20・X-T50なら困りません。
XF16-55mmF2.8 R LM WR II:写りを最優先
F2.8通しの標準ズームで、旧型から245g軽くなって約410g。24-84mm相当をF2.8でカバーし、防塵防滴も備えます。X-T50の4020万画素を隅まで生かしたいなら、この1本が基準になります(旧型との比較)。
XF16-80mmF4 R OIS WR:F4で120mm相当まで
ズーム全域F4で24-120mm相当をカバーし、約440g。OIS付きで、旅行のように「望遠も少し欲しい」場面に向きます。F2.8ズームより暗いぶん軽く、焦点域は広いという位置づけです。
1本で済ませる:高倍率ズーム
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR:純正の万能ズーム
27-206mm相当を約490gでカバーする、防塵防滴の高倍率ズームです。OIS付きで、旅行や運動会のようにレンズを替えられない場面で頼りになります。開放F値は暗めなので、屋内では明るい単焦点と組み合わせるのが現実的です(XF16-80mmとの比較)。
SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS:24mmから450mm相当まで
18.8倍という守備範囲を約615gにまとめたズームです。広角端が24mm相当と広く、望遠端は450mm相当。OS(手ブレ補正)も内蔵しています。1本で全部という割り切りなら、いまいちばん焦点域が広い選択肢です。同じ考え方のTAMRON 18-300mm F/3.5-6.3との違いは比較ページをどうぞ。
望遠:運動会から野鳥まで
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR:最初の望遠
約580gで457mm相当まで届き、防塵防滴とOISを備えます。最短0.83mまで寄れて最大0.33倍と、望遠マクロのような使い方もできます。テレコンバーターにも対応していて、1.4倍を付ければ640mm相当まで伸ばせます。X-S20に付けても1.1kgほどで、運動会や動物園ならこれで十分です。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS:明るさ優先の中望遠
84-305mm相当をカバーし、望遠端でもF4.8と明るめです。約580gで、屋内の発表会やステージのように暗い場所での望遠に向きます。焦点距離を優先するならXF70-300mm、明るさなら55-200mmという選び分けになります(2本の比較)。
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR:野鳥・飛行機の本命
152-609mm相当という超望遠域を1本でカバーします。約1,375gあるので、X-S20と合わせると1.9kg弱。手持ちで長時間は疲れますが、Xマウントで飛行機や野鳥を本格的に撮るならここが出発点です。さらに遠くを狙うならXF150-600mmF5.6-8(約1,605g、229-914mm相当)もあります(2本の比較)。
広角:風景と夜景
XF10-24mmF4 R OIS WR:純正の超広角ズーム
15-36mm相当をF4通しでカバーし、約385g。OIS付きで防塵防滴、フィルター径は72mmです。風景でフィルターを使う人にも扱いやすく、最短0.24mまで寄れるので手前を大きく入れた構図も作れます。
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN:F2.8の広角を260gで
15-27mm相当をF2.8通しでカバーして約260g。星空や夜景まで狙うなら、F4より1段明るいこちらが有利です。最短0.116mまで寄れるので、広角の寄りを生かした画も撮れます。同じくF2.8のTAMRON 11-20mm F/2.8(約335g)との違いは比較ページにまとめています。
単焦点:Xマウントの楽しいところ
XF27mmF2.8 R WR:84gのパンケーキ
約84gで、付けていることを忘れる薄さです。41mm相当は標準より少し広く、街歩きに向く画角。X-T50に付ければ522gで、コンパクトカメラのような身軽さになります。防塵防滴で絞りリングもあり、軽いだけのレンズではありません。
XF23mmF2 R WR:35mm相当のスナップ標準
約180gで35mm相当。防塵防滴で、絞りリングの操作感も良く、日常のスナップに使いやすい1本です。同じ画角でもっと明るいのはXF23mmF1.4 R LM WR(約375g)ですが、軽さと価格ではF2が扱いやすくなります。
XF33mmF1.4 R LM WR:50mm相当の明るい標準
50mm相当をF1.4で撮れる標準単焦点で、約360g。開放から解像し、背景は素直にぼけます。室内や夜のスナップ、人物の全身から上半身まで幅広く使えます。X-T50の4020万画素にも応えられる新しい設計です。
XF56mmF1.2 R WR:人物を大きくぼかす
85mm相当でF1.2という、ポートレート向けの1本です。約445gで、開放では背景が大きくとろけます。少し離れた位置から人物を切り取るのに向き、屋外の逆光でもコントラストが保たれます。
XF30mmF2.8 R LM WR Macro:等倍マクロを195gで
等倍(1.0倍)まで寄れるマクロレンズで、約195gと軽量。45mm相当なので、標準レンズとしても使えます。花や小物を大きく写したいとき、これ1本をバッグに足すだけで撮れるものが増えます。
組み合わせ例(本体込みの重さ)
| 目的 | レンズ | X-T50(438g) | X-S20(491g) |
|---|---|---|---|
| いちばん軽く | XF27mmF2.8 | 約522g | 約575g |
| キットの標準 | XF16-50mm | 約678g | 約731g |
| 明るい標準 | SIGMA 18-50mm F2.8 | 約728g | 約781g |
| 旅行に1本 | XF18-135mm | 約928g | 約981g |
| 運動会・動物園 | XF16-50mm + XF70-300mm | 約1,258g | 約1,311g |
「キットの標準+XF70-300mm」の2本が、いちばん潰しが利く組み合わせです。合計1.3kg前後で、24mmから457mm相当までをカバーできます。
よくある質問
X-S20とX-T50、どちらを選べばいいですか
写真の細かさとダイヤル操作を楽しみたいならX-T50、動画とバッテリー(約800枚)、バリアングル液晶を重視するならX-S20です。レンズの選び方はほぼ同じなので、ボディの操作系で決めて構いません(2機種の比較)。
4020万画素のX-T50に、古いレンズを付けても大丈夫ですか
写りはします。ただし等倍で見ると、設計の新しいレンズとの差が分かりやすくなります。標準ズームだけでも新しい設計(XF16-50mmやXF16-55mm II)にしておくと、画素数を生かせます。
XCレンズとXFレンズの違いは何ですか
XCは絞りリングがなく、外装がプラスチック主体で軽く安価なシリーズです。写りは悪くありませんが、絞りをリングで操作したい人や、長く使いたい人はXFを選んだほうが満足度が高くなります。
手ブレ補正のないレンズでも問題ありませんか
X-S20・X-T50はボディ内補正が7段あるので、単焦点や補正なしのズームでも手持ちで撮れます。ただし補正は被写体の動きを止める機能ではないので、動く相手にはシャッター速度を確保してください。
X-T30 IIIとはレンズ選びが変わりますか
X-T30 IIIにはボディ内補正がありません。そのぶんOIS付きのズームを優先したほうが安心です(X-S20との比較、X-T30 IIIのレンズ選び)。



