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手ブレ補正の「段数」とは:8段はどれくらい効くのか

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カメラの仕様表に「8.0段」「5軸」といった数字が並びます。数字が大きいほど良さそうですが、何がどれだけ良くなるのかは説明されていません。

この記事では、段数の意味と、実際にどこまで効くのかを整理します。

結論

  • 「1段」は、シャッター速度を半分にできるという意味。5段なら、1/60秒でしか止まらなかった手ブレが、計算上は約0.5秒まで許容できることになります。
  • 計算どおりには効きません。CIPAという規格に沿った測定値で、実際は2〜3段ぶん割り引いて考えるのが現実的です。
  • 被写体が動くぶれには効きません。手ブレ補正が抑えるのはカメラの揺れだけです。
  • ボディ内補正があれば、どのレンズでも効きます。これが最大の利点です。

段数の意味

手ブレせずに撮れるシャッター速度の目安は、昔から「1÷焦点距離」と言われます。50mmなら1/50秒、200mmなら1/200秒です。補正の段数は、この目安から何段分遅くできるかを表します。

段数50mmでの計算上の目安200mmでの計算上の目安
補正なし1/50秒1/200秒
3段1/6秒1/25秒
5段約0.6秒1/6秒
7段約2.5秒約0.6秒
8段約5秒約1.3秒

実用的には、8段の機種で1/4〜1秒あたりが手持ちの目安です。それでも、補正なしの1/50秒と比べれば大きな差です。

ボディ内とレンズ内

 ボディ内手ブレ補正(IBIS)レンズ内手ブレ補正(IS/VR/OSS/O.I.S.)
仕組みセンサーを動かすレンズの一部を動かす
効く相手付けたレンズすべてそのレンズだけ
得意広角〜標準。回転方向のぶれにも効く望遠。ファインダー像も安定する
表記「5軸」「7.0段」などレンズ名の IS/VR/OSS/O.I.S. など

メーカーごとの呼び方が違うだけで、仕組みは同じです。CanonはIS、NikonはVR、SonyはOSS、Panasonicは O.I.S.、SIGMAはOS、TAMRONはVCと書きます。

協調制御

ボディ内とレンズ内の両方を持つ組み合わせでは、2つを連動させてより大きな効果を出せます。メーカーはこれを協調制御(シンクロVR、Dual I.S. 2 など)と呼び、仕様表には協調時の段数が併記されます。

レンズ単体ボディと協調
RF70-200mm F4 IS USM5.0段最大7.5段
RF14-35mm F4 L IS USM5.5段約7段
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM4.5段7.0段

協調が働くのは、同じメーカーの対応する組み合わせに限られます。他社製レンズでは、ボディ内補正だけが働くことが多くなります。

効かない場面

  • 被写体が動いているとき。走る子ども、飛ぶ鳥、揺れる花。これらはシャッター速度を速くするしかありません。
  • 三脚に載せたとき。揺れがないのに補正が働くと、かえってぶれることがあります。三脚使用時はオフにするのが基本です(自動で止まる機種もあります)。
  • 流し撮り。横方向の動きまで補正されると流れません。流し撮り専用のモード(MODE2など)に切り替えます。
  • 超長秒。数十秒の露光では、補正の可動範囲を超えます。三脚を使ってください。

機種選びでの考え方

  • ボディ内補正があるかどうかは、けっこう大きい差です。古い単焦点や、補正を持たないレンズでも効くようになります。
  • 入門機には載っていないことがあります。EOS R8X-T30 IIIはボディ内補正を持ちません。後継や上位機(EOS R8 Mark IIX-T50)では載っています。
  • 望遠を使うならレンズ内補正も欲しい。ファインダー像が安定するので、構図を決めやすくなります。
  • 段数の1〜2段差で機種を決める必要はありません。測定条件が同じでも、姿勢や撮り方の影響のほうが大きく出ます。

手ブレを減らす、機材以外の方法

  • 脇を締め、左手でレンズの下を支える。
  • 息を止めてからシャッターを押す(吐き切った直後が安定します)。
  • 壁や柱に体を預ける。手すりにカメラを載せる。
  • 連写で3枚撮る。真ん中の1枚がいちばん安定していることが多いです。
  • シャッターを押す振動を避けたいときは、2秒タイマーを使う。

よくある質問

電子式手ブレ補正とは違うのですか

違います。電子式は画像の一部を切り出して揺れを打ち消す方式で、主に動画で使われます。画角が狭くなり、画質もわずかに落ちます。光学式(センサーやレンズを動かす方式)とは別ものです。

「5軸」とは何ですか

上下・左右・回転(ロール)・縦揺れ(ピッチ)・横揺れ(ヨー)の5方向を補正するという意味です。レンズ内補正は2軸のことが多く、回転方向はボディ内補正が担当します。

手ブレ補正があれば三脚は要りませんか

数秒以上の露光(星空、滝の流れ、夜景の長秒)では三脚が必要です。手ブレ補正が担うのは、あくまで手持ちで撮れる範囲を広げることです。

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