VLOGCAM ZV-E10 IIは、動画を主役に考えたAPS-Cのレンズ交換式カメラです。2600万画素のセンサーに、10bitでの記録、バリアングル液晶、そして約377gという軽さ。撮影可能枚数が約610枚と多いのも、長回しをする人には効いてきます。
レンズ選びで押さえたいのは、ボディ内手ブレ補正を積んでいないことと、自撮りでは広い画角が要ることの2点です。この記事では、その前提でZV-E10 IIに合うレンズを用途別に選びました。仕様の数値はメーカーの公表値です。
結論:目的別の1本
| やりたいこと | 選ぶレンズ | 質量 | 35mm判換算 |
|---|---|---|---|
| キットのまま身軽に | E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II | 107g | 24-75mm |
| 自撮り・歩き撮り | E PZ 10-20mm F4 G | 178g | 15-30mm |
| 画質を上げる標準 | SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 290g | 約27-75mm |
| 1本で旅行も望遠も | E 18-135mm F3.5-5.6 OSS | 325g | 27-202mm |
| 背景をぼかす | SIGMA 30mm F1.4 DC DN | 280g | 45mm |
動画が主目的なら、まずはE PZ 10-20mm F4 Gです。写真も同じくらい撮るなら、SIGMA 18-50mm F2.8のほうが満足度が高くなります。
ZV-E10 IIでレンズを選ぶ前に知っておきたいこと
ボディ内手ブレ補正がない:OSSか、アクティブモードで補う
ZV-E10 IIは本体に手ブレ補正を持ちません。手持ちで動画を撮るなら、レンズ側の補正(OSS)を使うか、本体の電子手ブレ補正「アクティブモード」を併用することになります。アクティブモードは画角が少し狭くなるので、広角のレンズほど組み合わせやすくなります。写真では、シャッター速度を「1÷換算焦点距離」より速めに保つのが目安です(手ブレ補正の「段数」とは)。
自撮りは「広さ」がすべて
APS-Cなので焦点距離は約1.5倍の画角になります。手に持って自分を写すなら、24mm相当(16mm)でようやく顔と背景が入るくらいで、アクティブモードで少し狭くなることまで考えると、15mm相当(10mm)前後まで広いレンズが安心です。歩き撮りでも、広いほど揺れが目立ちません。
パワーズームだと、片手でも画角を変えられる
レンズ名の「PZ」はパワーズームのことで、レバーやボタンでズームできます。ZV-E10 IIはボディ側にもズームレバーがあるので、自撮りのまま画角を変えられるのが利点です。ズーム中の画角変化もなめらかで、動画では手で回すより自然に見えます。
広角:自撮りと歩き撮りの本命
E PZ 10-20mm F4 G:15mm相当から、178g
15-30mm相当をF4通しでカバーするパワーズームで、約178g。ZV-E10 IIに付けても555gと軽く、自撮りでも腕が疲れません。アクティブモードで画角が狭くなっても、15mm相当から始まるので余裕があります。Gレンズらしく四隅までの解像が安定していて、風景の写真にも使えます。
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN:F2.8で夜も撮れる広角
15-27mm相当をF2.8通しでカバーして約260g。E PZ 10-20mmより1段明るいので、夜の街歩きや室内でも画質を保てます。最短0.116mまで寄れるので、近くの物を大きく見せる「寄りの画」も作れます。手動ズームなので、動画でズームを多用する人はパワーズームのほうが扱いやすいかもしれません。
E 11mm F1.8:単焦点で明るく、軽く
16.5mm相当でF1.8の単焦点、約181g。ズームしない代わりに明るく、暗い室内や夜の屋外でもISOを抑えられます。最短0.15mまで寄れるので、料理や商品を手前に大きく写す撮り方にも向きます。自撮りの定番画角を1本で固定したい人向けです。
E 15mm F1.4 G:22.5mm相当のGレンズ
22.5mm相当でF1.4、約219g。絞りリングを備えたGレンズで、動画では絞りを無段階で操作できます。F1.4の明るさで背景を大きくぼかせるので、話し手を浮き立たせる画作りに向きます。広さは11mmに譲るので、自撮りよりは「手持ちで撮る作品寄りの映像」に合います。
標準ズーム:日常の1本
E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II:107gのキットレンズ
約107gという軽さと、沈胴して薄くなる作りが最大の長所です。OSS(レンズ内補正)とパワーズームを備え、ZV-E10 IIと合わせても484g。まず1本という位置づけですが、開放F値は暗く、四隅の解像も新しい単焦点には及びません。物足りなくなったら、次の2本のどちらかへ進むのが自然な流れです。
SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN:軽さを保ってF2.8
約290gでズーム全域F2.8。キットレンズと比べると、暗い場所でのノイズと背景のぼけが目に見えて変わります。最短0.121mまで寄れて最大0.36倍の接写もでき、物撮りにも使えます。補正は持たないので、歩き撮りではアクティブモードを併用してください。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD:補正付きのF2.8
F2.8通しのまま105mm相当まで届き、レンズ内に補正(VC)を持ちます。補正のないZV-E10 IIでは、この点がそのまま効いてきます。約525gとボディより重くなるのが弱点で、ジンバルに載せるならバランス取りが要ります。写真も本格的に撮るなら、有力な1本です(E 16-55mm F2.8 Gとの比較)。
1本で旅行も望遠も
E 18-135mm F3.5-5.6 OSS:27-202mm相当を325gで
約325gと軽く、OSS付き。旅行や運動会のようにレンズを替えられない場面で頼りになります。ZV-E10 IIと合わせても702gなので、1日持ち歩いても負担になりません。広角端は27mm相当なので、自撮りには少し狭い点だけ注意してください。
TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD:450mm相当まで
16.7倍の高倍率ズームで、450mm相当まで届きます。どの焦点距離でも解像が安定していて、望遠側でもAFは速く迷いません。周辺減光も全域で少なく、絞り込む前提の古い高倍率ズームとは別物です。約620gあるので、ZV-E10 IIに付けると前が重くなります。
望遠:運動会と動物園
E 55-210mm F4.5-6.3 OSS:345gの軽い望遠
82-315mm相当を約345gでカバーする、価格も抑えられた望遠ズームです。OSS付きで、ZV-E10 IIでも手持ちで使えます。開放F値は暗いので、屋外の明るい時間帯が主戦場です。
E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS:525mm相当まで
105-525mm相当をカバーするGレンズで、約625g。望遠端まで解像が落ちず、APS-C用の望遠ズームとしては完成度の高い1本です。ZV-E10 IIと合わせて1kgほどになりますが、運動会や動物園、飛行機まで狙えます(E 55-210mmとの比較)。
単焦点:背景をぼかす
E 35mm F1.8 OSS:補正付きの標準単焦点
52.5mm相当でF1.8、約154g。単焦点ながらOSSを内蔵しているので、補正のないZV-E10 IIとは相性のいい組み合わせです。ボディと合わせて531gと軽く、日常のスナップから室内の撮影まで幅広く使えます。
SIGMA 30mm F1.4 DC DN:45mm相当の明るい標準
約280gでF1.4。45mm相当と人の見た目に近い画角で、背景を大きくぼかせます。話し手を座らせて撮るような映像では、この明るさが効きます。補正はないので、固定して撮るか、三脚・ジンバルと組み合わせてください。
SIGMA 56mm F1.4 DC DN:84mm相当の中望遠
約285gで84mm相当。人物を少し離れた位置から撮るのに向き、背景は大きくぼけます。狭い室内では下がれないこともあるので、部屋の広さと相談してください。E 30mm F3.5 Macro(約138g)を足せば、等倍の接写まで守備範囲に入ります。
組み合わせ例(ZV-E10 II本体込みの重さ)
| 目的 | レンズ | 合計の重さ |
|---|---|---|
| キットのまま | E PZ 16-50mm | 約484g |
| 自撮り・歩き撮り | E PZ 10-20mm F4 G | 約555g |
| 広角+標準の2本 | E PZ 10-20mm + E PZ 16-50mm | 約662g |
| 画質重視の1本 | SIGMA 18-50mm F2.8 | 約667g |
| 旅行に1本 | E 18-135mm | 約702g |
動画が主なら「広角+標準の2本」で662g。どちらもパワーズームなので、片手で画角を変えられます。
よくある質問
ZV-E10(初代)とII、レンズ選びは変わりますか
マウントは同じなので、選べるレンズも同じです。IIはセンサーとバッテリーが新しくなり、10bitでの記録に対応しました。どちらもボディ内補正はないので、この記事の考え方はそのまま当てはまります(2機種の比較)。
手ブレをいちばん減らすには、どうすればいいですか
広角のレンズを使い、アクティブモードを入れるのが基本です。そのうえで歩き方を意識すると、かなり落ち着きます。さらに安定させたいなら、ジンバルを使うか、ボディ内補正のあるα6700のような機種を選ぶことになります(α6700との比較)。
フルサイズ用のFEレンズは使えますか
そのまま使えて、APS-Cの画角(約1.5倍)で写ります。ただし多くのFEレンズはAPS-C用より大きく重いので、377gのボディに合わせると前が重くなります。軽いFE単焦点(FE 40mm F2.5 Gなど)なら、バランスを崩さずに使えます。
α6400やα6700とは、選ぶレンズが違いますか
マウントが同じなので、レンズの候補は共通です。違うのは補正とファインダーで、α6700にはボディ内補正があります。写真も本気で撮るなら、ファインダーのある機種のほうが構えが安定します(α6400・α6700のレンズ選び)。



