EOS R100は、キヤノンのフルサイズ・APS-Cを通していちばん小さく、いちばん手に入れやすいEOS Rです。本体は約356g、2410万画素のAPS-Cセンサー。連写は最高6.5コマ/秒、背面の液晶は固定式で、カードはUHS-Iまで。割り切りははっきりしていますが、写る絵は上位機と同じRFレンズで決まります。
この記事では、キットレンズの次に足す1本を用途別に選びました。ボディ内手ブレ補正がないので、そこを踏まえた選び方も最初にまとめています。仕様の数値はメーカーの公表値です。
結論:目的別の1本
| やりたいこと | 選ぶレンズ | 質量 | 35mm判換算 |
|---|---|---|---|
| 遠くを撮りたい | RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM | 270g | 88-336mm |
| 背景をぼかしたい | RF50mm F1.8 STM | 160g | 80mm相当 |
| レンズ交換をやめたい | RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM | 310g | 約29-240mm |
| 広い景色を入れたい | RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM | 150g | 16-29mm |
| 室内を明るく撮りたい | SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 290g | 約29-80mm |
最初の1本は、価格と効果のバランスでRF50mm F1.8 STMかRF-S55-210mmです。キットと合わせても800gを切ります。
R100でレンズを選ぶ前に知っておきたいこと
ボディ内手ブレ補正がない:名前の「IS」を目印に
R100の仕様には「手ブレ補正機構 非搭載」と書かれています。手ブレを抑えるのはレンズの仕事なので、キヤノン純正なら名前に「IS」が付くものを選ぶと失敗が減ります。補正のない単焦点を使うときは、シャッター速度を「1÷換算焦点距離」より速めに保つのが目安です。50mmのレンズならR100では換算80mmなので、1/80秒より速く。詳しくは手ブレ補正の「段数」とはをどうぞ。
1.6倍で望遠が伸びる
APS-Cなので、レンズの焦点距離は約1.6倍の画角で写ります。55-210mmなら336mm相当、100-400mmなら640mm相当です。小さくて安いレンズでも遠くが撮れるのは、APS-Cの得意なところです。
連写より、1枚をきちんと撮るカメラ
連写は6.5コマ/秒、カードはUHS-Iまでなので、動きものを延々と追い続ける使い方には向きません。そのぶん、明るい単焦点で1枚をていねいに撮る方向にレンズ代を回すと、写真の変化が大きくなります。
まず1本足すなら
RF50mm F1.8 STM:160gで写真が変わる(換算80mm)
手のひらで隠れるほど小さく、約160g。R100と合わせても516gです。開放F1.8ではピントを置いた部分がくっきりしたまま背景が柔らかくぼけ、F11まで絞れば画面の隅まで解像します。キットレンズの望遠端(F6.3)と比べると3段以上明るく、室内でもシャッター速度を稼げます。R100では80mm相当になるので、人物の上半身や小物向きです。
RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM:336mm相当まで届く
約270gの軽い望遠ズームで、手ブレ補正を内蔵しています。運動会や公園の鳥、旅先の遠景ならこれで足ります。R100に付けても626gなので、キットレンズと2本持ちにしても負担がありません。開放F値は望遠端でF7.1と暗いので、屋内の競技や夕方以降は苦しくなります。
レンズ交換をやめたい:高倍率ズーム
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM:29-240mm相当を1本で
約310gで、広角から中望遠までを1本でまかなえます。最短0.17mまで寄れるので、旅先の料理や小物も撮れます。R100のキットに付くRF-S18-45mm(約130g)は72mm相当までなので、「もう少し寄りたい」が続くならこれに置き換えるのが素直です。
TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD:480mm相当まで1本で
16.7倍の高倍率ズームで、R100に付けると480mm相当まで届きます。どの焦点距離でも解像が安定していて、絞り込んだり広角側を避けたりする工夫が要りません。補正(VC)付きなので、R100でも望遠端を手持ちで使えます。約620gあるので、本体より重くなる点だけ承知しておいてください。
明るい標準ズームにする
SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN:軽いままF2.8(換算約29-80mm)
約290gと軽く、キットレンズと変わらない大きさでズーム全域F2.8になります。最短0.121mまで寄れて、最大0.36倍の接写もできます。室内の子どもや料理、夕方の街で、キットレンズとの差がはっきり出ます。手ブレ補正は持たないので、暗い場所ではシャッター速度に気を配ってください。
補正付きがよければ、TAMRON 17-70mm F/2.8 VC(約525g)という選択肢もあります。ただしR100の倍近い重さになるので、軽さを優先するならSIGMAです(2本の比較)。
広角:16mm相当の広さ
RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM:150gの超広角
しまえば全長約45mmの沈胴式で、バッグの中でほとんど場所を取りません。16mm相当の広さはキットでは撮れない画で、AFで14cmまで寄れるので、花に近づいて背景に空を大きく入れる撮り方もできます。補正内蔵なのもR100向きです。開放F値は暗いので、星空や夜景には力不足です。
単焦点をもう1本
RF35mm F1.8 MACRO IS STM:補正付きで寄れる(換算56mm)
約305gで、R100では56mm相当の標準になります。単焦点としては珍しく手ブレ補正を内蔵しているので、補正のないR100とは相性のいい1本です。最短0.17mまで寄れる0.5倍のハーフマクロとしても使え、料理・小物・花まで1本でこなせます。RF50mm F1.8より価格は上がりますが、使える場面はこちらのほうが広くなります。
SIGMA 30mm F1.4 DC DN:F1.4の明るさ(換算48mm)
APS-C用に作られたF1.4の単焦点で、約280g。R100では48mm相当と、人の見た目に近い画角になります。F1.4はRF50mm F1.8よりさらに明るく、補正のないボディで夜を撮るときの助けになります。人物を大きく写したいなら、90mm相当になるSIGMA 56mm F1.4 DC DN(約285g)も候補です。
RF28mm F2.8 STM:120gのパンケーキ(換算45mm)
約120g、厚みは親指ほどのパンケーキレンズです。R100に付けると476gで、上着のポケットに入る大きさになります。45mm相当は標準に近い画角で、散歩や旅のスナップに向きます。フルサイズ用なので、いずれ上位機に移っても使い続けられます。
望遠をもっと伸ばすなら
RF100-400mm F5.6-8 IS USM:640mm相当(本体より重い)
約635gで400mmまで届く、軽さが際立つ望遠ズームです。非Lレンズとは思えない鋭さで、四隅まで解像が安定しています。R100に付けると991gと本体の倍以上になりますが、飛行機や野鳥を撮りたいならここまで来る価値があります。望遠端F8は暗く、晴れた屋外向きです。必要な焦点距離の目安は飛行機撮影のレンズの選び方にまとめています。
組み合わせ例(R100本体込みの重さ)
| 目的 | レンズ | 合計の重さ |
|---|---|---|
| キットのまま | RF-S18-45mm | 約486g |
| ぼけを足す | RF-S18-45mm + RF50mm F1.8 | 約646g |
| 遠くも撮る | RF-S18-45mm + RF-S55-210mm | 約756g |
| 1本で済ませる | RF-S18-150mm | 約666g |
| 広角も足す | RF-S10-18mm + RF-S18-150mm | 約816g |
「遠くも撮る」の2本が、価格と守備範囲のバランスがいちばんいい組み合わせです。合計756gで、29mmから336mm相当までカバーできます。
よくある質問
R100とR50、レンズ選びは違いますか
付けられるレンズは同じで、どちらもボディ内補正がないので考え方も同じです。R50はバリアングル液晶とタッチ操作、連写(最高15コマ/秒)で上回ります。レンズ選びで差が出るのは動きものを追う場面くらいです(2機種の比較、R50のレンズ選び)。
一眼レフ用のEFレンズは使えますか
マウントアダプター(EF-EOS R)を使えば、EF・EF-Sレンズを付けられます。IS付きのEFレンズなら補正もそのまま働くので、家に眠っている望遠があるならまずそれを試すのがいちばん安上がりです。
フルサイズ用のRFレンズを買っても無駄になりませんか
無駄にはなりません。R100に付けると1.6倍の画角になりますが、そのままフルサイズ機に移っても使えます。RF50mm F1.8やRF28mm F2.8のように安くて軽いフルサイズ用レンズは、長く使える買い物です。
レンズはどの順番で買えばいいですか
「いま撮れなくて困っている場面」から選ぶのが確実です。遠くが足りないなら望遠、暗くてブレるなら明るい単焦点、入りきらないなら広角。3本目からは、キットレンズを使う回数が減っているはずなので、標準ズームをF2.8に入れ替えると全体の底上げになります。



