EOS R6 Mark IIとMark IIIは、キヤノンのフルサイズの中心にあたるカメラです。どちらもメカシャッターで12コマ/秒・電子シャッターで40コマ/秒の連写と、ボディ内手ブレ補正を備え、人物から風景、動きものまで守備範囲が広い。付けられるレンズもまったく同じです。
大きな違いは画素数で、Mark IIは2420万画素、Mark IIIは3250万画素です。この記事では、2機種に合うレンズを用途別に選び、画素数の違いがレンズ選びにどう効くかまで書いています。仕様の数値はメーカーの公表値です。
結論:目的別の1本
| やりたいこと | 選ぶレンズ | 質量 |
|---|---|---|
| 何でも撮れる1本 | RF24-105mm F4 L IS USM | 700g |
| F2.8を軽く | RF28-70mm F2.8 IS STM | 495g |
| 広い景色と星空 | RF16-28mm F2.8 IS STM | 445g |
| 飛行機・野鳥・スポーツ | RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM | 1,370g |
| 背景をぼかして人物を | RF85mm F2 MACRO IS STM | 500g |
本体の質量はMark IIが約670g、Mark IIIが約699gです(メーカー公表値)。
R6 Mark II・Mark IIIのレンズ選びで押さえたいこと
フルサイズなので、焦点距離はそのまま
レンズに書かれた焦点距離が、そのままの画角になります。APS-C用の「RF-S」レンズも付きますが、画面の中央だけを使う撮影になるので、フルサイズ用の「RF」レンズを選ぶのが基本です。
ボディ内手ブレ補正があるので、補正のないレンズも選べる
どちらも本体に手ブレ補正を持っています。IS(レンズ内補正)のない明るい単焦点でも手持ちで扱いやすく、ISのあるレンズでは、レンズとボディの補正が一緒に働きます。
2420万画素と3250万画素で、レンズの見え方が変わる
画素数が上がると、レンズの解像の差が写真に出やすくなります。Mark IIIで等倍まで拡大して見ることが多いなら、Lレンズや新しい設計のレンズを選ぶと満足度が上がります。Mark IIの2420万画素は、1画素あたりの受光面積が広く、ファイルも軽いので、手頃なレンズでも粗が目立ちにくい画素数です。どちらを選んでも、画面で見たりA4程度に印刷したりするぶんには、ここで挙げるレンズで不満は出ません(2機種の比較)。
標準ズーム:F4か、F2.8か
最初に悩むのが標準ズームです。選ぶ基準は「望遠側の長さ」「明るさ」「重さ」の3つです。
| レンズ | 焦点距離 | 開放F値 | 質量 | 最短撮影距離 |
|---|---|---|---|---|
| RF24-105mm F4 L IS USM | 24-105mm | F4 | 700g | 0.45m |
| RF24-105mm F4-7.1 IS STM | 24-105mm | F4-7.1 | 395g | 0.2m |
| RF28-70mm F2.8 IS STM | 28-70mm | F2.8 | 495g | 0.27m |
| RF24-70mm F2.8 L IS USM | 24-70mm | F2.8 | 900g | 0.21m |
RF24-105mm F4 L IS USM:まず1本と言われたらこれ
24mmから105mmまで、ズーム全域F4で撮れるLレンズです。約700gで、R6 Mark IIと合わせて1.4kgほど。風景、スナップ、旅行、人物の上半身まで、これ1本でほとんどの場面をまかなえます。F2.8のズームより1段暗い代わりに、望遠側が35mm長く、この差は旅先で「もう少し大きく写したい」と思う場面で効いてきます。
弱点は寄れる距離で、最短撮影距離は0.45mです。テーブルの上の料理や小物を大きく撮るのは得意ではありません。このレンズと望遠ズームの組み合わせは、当サイトの使用機材でも中心になっています。

RF24-105mm F4-7.1 IS STM:軽さで選ぶキットレンズ
同じ24-105mmを約395gに収めた、F4Lより300g以上軽いズームです。最短0.2mまで寄れて、最大0.4倍の接写もできるので、寄る撮影はF4Lより得意です。そのぶん望遠側はF7.1まで暗くなり、夕方の室内や動く被写体ではISOが上がります。価格と軽さを取るならこちら、明るさと写りを取るならF4Lです(2本の比較)。
RF28-70mm F2.8 IS STM:F2.8を身軽に
ズーム全域F2.8を、約495gに収めた標準ズームです。フィルター径も67mmと細く、Lレンズの24-70mm F2.8(約900g)の半分強の重さで済みます。レンズ内に補正(IS)もあり、ボディの補正と一緒に働きます。広角端が24mmではなく28mmなのが妥協点で、狭い室内や大きな風景では、少し下がる必要が出ます(24-70mm F2.8 Lとの比較)。
RF24-70mm F2.8 L IS USM:明るさと写りに妥協しない
キヤノンの大三元の標準ズームで、約900gです。24mmから使えるF2.8で、最短0.21mまで寄れるので、明るさを生かして寄ってぼかす撮り方もできます。Mark IIIの3250万画素で等倍まで見るなら、この標準ズームがいちばん安心です。F4Lとの違いは比較ページをどうぞ。
広角:14〜16mmから
RF16-28mm F2.8 IS STM:F2.8の広角を約445gで
F2.8通しの広角ズームを、約445gに収めたレンズです。RF28-70mm F2.8と同じフィルター径67mmで、2本を並べると広角から標準までF2.8で途切れずにつながります。星空や夜景ではF2.8の明るさが、手持ちの夜景ではレンズ内の補正が効きます。Lレンズの15-35mm F2.8(約840g)の半分ほどの重さです(15-35mm F2.8 Lとの比較)。
RF14-35mm F4 L IS USM:14mmまで広く
14mmから35mmまでをF4で撮れるLレンズで、約540gです。14mmの広さは、狭い室内や高い建物、目の前に広がる風景で差が出ます。最短0.2mまで寄れて最大0.38倍の接写もできるので、足元の花を大きく入れた広角らしい構図も作れます。明るさより広さと寄る力を取るならこちらです(15-35mm F2.8 Lとの比較)。
RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM:手頃な超広角
約390gの手頃な広角ズームです。開放F値は暗めですが、日中の風景なら絞って使うので困りません。15mmの広さで手前の被写体に近づけば、奥行きの強い写真になります。

望遠:70-200mmから800mmまで
RF70-200mm F4 L IS USM:軽く短い望遠ズーム
ズーム全域F4で約695g。縮めた状態の全長が短く、標準ズームと一緒にバッグに入れても場所を取りません。運動会や発表会、旅先の望遠に向きます。止まった被写体なら、ボディとレンズの補正で遅いシャッターも使えます。

RF100-400mm F5.6-8 IS USM:400mmまで手頃に
フィルター径67mmの細身で、約635g。400mmまで届くのに、70-200mm F4とほとんど変わらない重さです。非Lレンズとは思えない鋭さで、四隅まで解像が安定しています。流し撮り専用のモードはありませんが、流し撮りでも被写体の動きに合わせて補正が自然に働きます。望遠端F8の暗さは、R6シリーズの高感度で補えます。
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM:飛行機・野鳥の本命
100mmから500mmまでを1本でこなすLレンズで、約1,370gです。400mmと500mmの差は、画面の中で被写体が1.25倍になる差で、遠くの誘導路を走る飛行機や近づけない野鳥で効いてきます。300mm以上ではエクステンダーも使えます。作例と撮影データはRF100-500mmのレビューに、RF100-400mmとの違いは比較ページにまとめています。

RF200-800mm F6.3-9 IS USM:800mmまでズームで
800mmまで届くズームで、約2,060gです。R6シリーズと合わせると2.7kgを超えるので、長く構えるなら一脚があると楽になります。望遠端はF9と暗く、晴れた日向きです。そのぶん、遠くの滑走路や警戒心の強い野鳥を画面いっぱいに写せる距離が手に入ります(RF100-500mmとの比較)。

RF75-300mm F4-5.6:いちばん手頃な望遠
約507g・全長約146mmと、望遠ズームとしては軽く短いレンズです。価格を考えると期待を大きく超える写りです。レンズ内に補正はありませんが、R6シリーズならボディ内補正が効くので、補正のないボディで使うより扱いやすくなります。ただしAFは合焦が遅めで音も気になり、不規則に動く被写体を追い続けるのは得意ではありません。動きものが中心なら、RF100-400mmを選んでください。
単焦点:軽さと明るさ
RF50mm F1.8 STM:最初の単焦点
手のひらで隠れるほど小さく、約160gです。開放F1.8では、ピントを置いた部分がくっきりしたまま背景が柔らかくぼけ、画面全体が明るく軽やかに仕上がります。F11まで絞れば隅まで解像するので、風景にも使えます。50mmは広すぎず寄りすぎない画角で、構図を考える練習にもなる1本です。上位のF1.4 Lとの違いは比較ページをどうぞ。
RF35mm F1.8 MACRO IS STM:寄れて補正も付く
約305gの手のひら大の単焦点で、最短17cmまで寄れる0.5倍のハーフマクロです。花や小物に近づいて、キットのズームでは撮れない表現ができます。非Lながら解像が高く、レンズ内の補正もあります。ただしF1.8の開放ではピントの合う範囲がごく薄いので、ピントの位置には気を配ってください(35mm F1.4 Lとの比較)。
RF28mm F2.8 STM:付けっぱなしのパンケーキ
約120gと薄く軽く、付けたままでも邪魔にならないパンケーキレンズです。R6 Mark IIと合わせても約790gで、フルサイズを気楽に持ち出せます。フォーカスリングを設定変更用に切り替えられ、ISOなどを割り当てればファインダーから目を離さずに操作できます。開放F2.8でも、ズームより背景や街灯の光をきれいにぼかせます。
RF45mm F1.2 STM:F1.2を手頃に
F1.2の大口径としては際立って軽い、約346gの単焦点です。45mmは人の視野に近く、50mmよりわずかに広いぶん、周囲も適度に写ります。開放F1.2のボケは大きく滑らかで、ボケの境目が目立たず自然になじみます。開放では柔らかく、絞ると画面の端まで鋭くなるので、1本で写りを使い分けられます(RF50mm F1.8との比較)。
RF85mm F2 MACRO IS STM:人物と接写を1本で
人物撮影の定番の85mmで、約500gです。補正機構付きの単焦点としては小さく、開放から四隅までくっきり解像します。開放F2は、F1.4の大口径85mmと比べると控えめですが、そのぶん最短0.35mまで寄れる0.5倍のハーフマクロとして、花や小物にも使えます。ボケを最優先するならRF85mm F1.4 L VCMが候補です。
マクロ:等倍以上で寄る
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM:1.4倍まで寄れる
最大1.4倍と、等倍を超えて寄れるマクロレンズです。約685gで、最短0.26mまで寄れます。花の芯や水滴、小さな昆虫まで画面いっぱいに写せます。100mmは被写体との距離も取りやすく、中望遠の単焦点として人物にも使えます。
組み合わせ例(R6 Mark II本体込みの重さ)
| 目的 | レンズ | 合計の重さ |
|---|---|---|
| 毎日持ち歩く | RF28mm F2.8 STM | 約790g |
| 軽い旅行 | RF24-105mm F4-7.1 IS STM | 約1,065g |
| 何でも1本で | RF24-105mm F4 L IS USM | 約1,370g |
| 人物 | RF35mm F1.8 MACRO + RF85mm F2 MACRO | 約1,475g |
| 風景の旅 | RF16-28mm F2.8 + RF24-105mm F4 L | 約1,815g |
| 空港・野鳥 | RF100-500mm + RF24-105mm F4 L | 約2,740g |
Mark IIIの場合は、それぞれ約29g重くなります。空港で撮るなら「RF100-500mm + RF24-105mm F4 L」の組み合わせで、24mmの風景から500mmの切り取りまでを2本でまかなえます。必要な焦点距離は飛行機撮影のレンズの選び方で、撮影データから詳しく説明しています。
よくある質問
Mark IIとMark III、レンズ選びは変わりますか
付けられるレンズは同じです。Mark IIIは画素数が多いぶん、等倍で見たときにレンズの解像の差が出やすくなります。Mark IIは画素数が控えめなので、手頃なレンズでも粗が目立ちにくく、ファイルも軽く扱えます(2機種の比較)。
レンズキットはF4LとF4-7.1のどちらがいいですか
写りと明るさを優先するならRF24-105mm F4 L、軽さと価格、寄る撮影を優先するならRF24-105mm F4-7.1です。F4-7.1は約300g軽く、最大0.4倍まで寄れます。夕方や室内で撮ることが多いなら、F4通しのLのほうが扱いやすいはずです。
一眼レフ用のEFレンズは使えますか
キヤノン純正のマウントアダプター(EF-EOS R)を使えば、EFレンズを付けられます。一眼レフ時代の望遠ズームや単焦点を持っているなら、まずそれを試してから買い足すのが無駄のない方法です。