α7 Vは、ソニーのフルサイズの「標準機」にあたるカメラです。3300万画素のセンサー、7.5段のボディ内手ブレ補正、電子シャッターで30コマ/秒の連写、撮影可能枚数は約750枚。本体は約695gです。
Eマウントはレンズの選択肢がいちばん多いマウントで、それが利点でもあり悩みどころでもあります。この記事では、用途ごとに「定番」と「軽い代案」を並べて選び分けられるようにしました。仕様の数値はメーカーの公表値です。
結論:目的別の1本
| やりたいこと | 選ぶレンズ | 質量 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1本で広く使う | FE 24-105mm F4 G OSS | 663g | F4通しで105mmまで |
| 軽い標準ズーム | FE 20-70mm F4 G | 488g | 20mmスタート |
| 明るい標準ズーム | TAMRON 28-75mm F/2.8 G2 | 540g | F2.8通しで540g |
| 望遠を足す | FE 70-200mm F4 Macro G OSS II | 794g | 0.5倍まで寄れる |
| 背景を大きくぼかす | FE 85mm F1.8 | 371g | 371gの中望遠 |
最初の1本はFE 24-105mm F4 G OSS。ここに85mmの単焦点か望遠ズームを足すのが、いちばん外れのない広げ方です。
α7 Vでレンズを選ぶ前に知っておきたいこと
7.5段の補正があるので、OSSなしのレンズも選べる
ボディ内手ブレ補正が7.5段あるので、手ブレ補正を持たない単焦点やサードパーティー製のズームでも手持ちで撮れます。OSS付きのレンズでは、レンズとボディの補正が一緒に働きます。望遠になるほどレンズ側の補正が効いてくるので、200mmを超えるならOSS付きを選んでおくと安心です。
3300万画素は、高画素機ほど神経質ではない
α7R系(6100万画素)ほどレンズを選びません。古いレンズでも十分に写りますが、開放から隅まで欲しいなら新しい設計のもの(GM IIやサードパーティーの新型)が有利です。トリミングの余裕も、4000万画素級ほどではないにせよ十分あります。
純正とサードパーティーの分かれ目
タムロンとシグマのEマウント用は、写りと価格のバランスがよく、純正より軽いものが多くあります。一方で、超望遠・AFの追従・テレコンバーターの対応といった部分は純正が優位です。動きものを撮るかどうかで線を引くと迷いません。
標準ズーム:最初の1本
FE 24-105mm F4 G OSS:迷ったらこれ
24mmから105mmまでをF4通しでカバーする、Eマウントでいちばん使い回しの利く標準ズームです。約663gで、OSS付き。最短0.38mまで寄れるので、料理や小物も撮れます。風景・人物・旅行と、これ1本で大半の場面が成立します。
FE 20-70mm F4 G:20mmスタートの標準ズーム
約488gで、広角端が20mmまで広がる珍しい標準ズームです。24mmでは入りきらない室内や風景がそのまま撮れるので、広角レンズを別に持たなくてよくなります。望遠端は70mmと短いぶん、24-105mmより175g軽く仕上がっています(2本の比較)。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2:F2.8を540gで
ズーム全域F2.8で約540g。開放から画面全体が均一に解像し、逆光でもコントラストが落ちにくいレンズです。最短0.18mまで寄れるので、広角側では接写に近い撮り方もできます。F2.8の標準ズームとしては軽く、価格も純正の大三元よりかなり抑えられます。
FE 24-70mm F2.8 GM II:純正の基準
約695gと、F2.8通しの大三元としては軽い部類です。24mmの広さとF2.8の明るさを両立し、開放から四隅まで崩れません。AFの速さと静かさ、動きものへの追従は純正ならではで、仕事でも使う1本ならここが基準になります(TAMRON 28-75mmとの比較)。
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD:1本で旅行も望遠も
広角端F2.8から始まる高倍率ズームで、約575g。200mmまで1本でこなせるうえに、明るい標準ズームに近い使い方もできます。レンズ交換をしたくない旅行では、これ1本で身軽になります。広角端が28mmなので、風景では少し狭く感じる場面があります。
広角:16mmから20mm
FE 16-35mm F2.8 GM II:明るい広角の定番
F2.8通しで約547g。星空や夜景、室内の広い画まで、これ1本で対応できます。最短0.22mまで寄れるので、手前を大きく入れた風景も作れます。α7 Vと合わせて1.2kg強と、大三元広角としては軽い組み合わせです。
FE PZ 16-35mm F4 G:353gの広角パワーズーム
約353gと軽く、パワーズームなので動画でも画角を滑らかに変えられます。F4のぶんGM IIより1段暗くなりますが、重さは200g近く軽く、価格も抑えられます。風景を絞って撮ることが多いなら、こちらで足りる場面がほとんどです。
望遠:どこまで届かせるか
FE 70-200mm F4 Macro G OSS II:寄れる望遠
約794gで、最短0.26m・最大0.5倍まで寄れる望遠ズームです。望遠マクロとして花や小物を大きく写せるので、1本で守備範囲が広がります。F4通しなので屋外の人物やイベントにも向き、F2.8の大三元より250g軽く収まります。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II:明るさと速さ
約1,045gで、F2.8通しの望遠としては軽量です。体育館や夕方のスポーツ、屋内のイベントなど、暗い場所で動くものを撮るならこのクラスが要ります。テレコンバーターにも対応していて、1.4倍を付ければ280mmまで伸ばせます。
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD:545gの軽い望遠
約545gで300mmまで届く、いちばん手軽な望遠ズームです。運動会や動物園ならこれで足ります。手ブレ補正は持ちませんが、α7 Vの7.5段の補正が効くので、日中の屋外なら不足を感じにくいはずです。
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS:野鳥・飛行機の本命
約1,395gで400mmまで、テレコンバーターを付ければ800mmまで伸ばせます。動きものへの追従と解像が高い水準でそろっていて、飛行機や野鳥を本気で撮るならここが基準です。さらに遠くを狙うならFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(約2,115g)があります(比較ページ)。必要な焦点距離は飛行機撮影のレンズの選び方で撮影データから説明しています。
単焦点:軽く、大きくぼかす
FE 50mm F1.8:186gで大きなぼけ
約186gで、α7 Vと合わせても881g。フルサイズらしい大きなぼけを最小の重さと価格で手に入れられます。AFは速いレンズではありませんが、止まっているものを撮るには十分です。単焦点の入口として扱いやすい1本です。
FE 35mm F1.8:スナップの常用レンズ
約280gで、35mmの画角をF1.8で撮れます。最短0.22mまで寄れるので、街のスナップから室内の食卓まで1本でこなせます。軽さとAFの素直さのバランスがよく、付けっぱなしにしやすいレンズです。
FE 85mm F1.8:371gのポートレート
約371gと軽く、85mmの中望遠で背景を大きくぼかせます。GMの85mm F1.4(約642g)ほどの解像やぼけの質はありませんが、価格と重さを考えると人物撮影の最初の1本として十分です。用途別の考え方はポートレートのレンズにまとめました。
FE 90mm F2.8 Macro G OSS:等倍マクロと中望遠
等倍(1.0倍)まで寄れるマクロレンズで、約602g。90mmの中望遠として人物にも使えます。OSS付きで、手持ちの接写でも粘れます。花や小物を撮る機会が多いなら、標準ズームの次に効いてくる1本です。
組み合わせ例(α7 V本体込みの重さ)
| 目的 | レンズ | 合計の重さ |
|---|---|---|
| 身軽なスナップ | FE 50mm F1.8 | 約881g |
| 軽い標準ズーム | FE 20-70mm F4 G | 約1,183g |
| 旅行に1本 | TAMRON 28-200mm | 約1,270g |
| 標準の基本形 | FE 24-105mm F4 G | 約1,358g |
| 標準+望遠 | FE 24-105mm F4 G + FE 70-200mm F4 II | 約2,152g |
「標準の基本形」に、人物なら85mm、遠くを撮るなら70-200mmを足す。この足し方なら無駄が出ません。
よくある質問
α7 IVから買い替えると、レンズ選びは変わりますか
マウントも画素数の水準もほぼ同じなので、手持ちのレンズはそのまま使えます。α7 Vは補正が7.5段に上がり、連写と処理が速くなっているので、望遠で動きものを撮る機会が増えるなら、そこにレンズ代を回す価値があります(2機種の比較、α7 IVのレンズ選び)。
APS-C用のEレンズは使えますか
付きますが、自動でクロップされて約1,470万画素相当になります。常用するならもったいないので、フルサイズ用を選んでください。手持ちのAPS-Cレンズをサブとして使い続ける、という位置づけなら問題ありません。
α7C IIとどちらを選ぶべきですか
写りの素性は近く、選べるレンズも同じです。違いはファインダーと操作系、そして重さ(α7C IIは約514g)。小さく持ち歩きたいならα7C II、重い望遠やF2.8ズームを常用するならα7 Vのほうが構えが安定します(2機種の比較、α7C IIのレンズ選び)。
古いFEレンズも使えますか
使えます。3300万画素は極端に高い画素数ではないので、初期のFEレンズでも実用になります。ただしAFの速さと静かさは新しいレンズのほうが明確に上なので、動画や動きものを撮るなら入れ替える価値があります。



