2026年のふたご座流星群は、極大が12月14日(月)23時ごろと予想されています。14日の夜の月は21時ごろまでに沈むので、いちばん流れる時間帯に月明かりの影響がほとんどありません。国立天文台の予想では、空の暗い場所なら15日0時〜2時ごろに1時間あたり約60個です。
流星は、いつどこに流れるか分かりません。撮れるかどうかは「長い時間、広い範囲を撮り続けられるか」で決まります。この記事では、撮る時間帯、カメラの設定、レンズの選び方を順に整理します。
いつ撮るか
| 時間帯 | 1時間あたりの目安 | メモ |
|---|---|---|
| 13日(日)の夜〜14日の明け方 | 30〜35個(14日0時〜4時ごろ) | 翌日が仕事なら現実的な選択肢 |
| 14日(月)21時ごろ | 35〜40個 | 月は沈むころ |
| 15日(火)0時〜2時ごろ | 約60個 | 放射点が高く、いちばんの狙いどき |
| 15日の明け方にかけて | 40〜55個 | 冷え込みが強くなる |
12月14日は月曜日です。翌日の予定を考えると、前夜の13日(日)の夜に下見を兼ねて撮るのも手です。数は少なくなりますが、休日の夜に設定を試せます。天気は直前まで分からないので、晴れる夜を選べるように両方の日を空けておくと安心です。
撮れる数は、広角ほど増える
1時間に60個流れても、レンズの画角に入るのは空の一部です。画面が空のどれだけを覆うかを計算すると、広角の有利さが分かります。
| 焦点距離(フルサイズ換算) | 地平線より上の空のうち、画面に入る割合 |
|---|---|
| 14mm | 約3分の1 |
| 20mm | 約5分の1 |
| 24mm | 約6分の1 |
| 35mm | 約10分の1 |
さらに、カメラに写るのは明るい流星だけです。目で見えた数よりかなり少なくなります。1時間撮って数枚に写れば成功くらいに考えて、撮り続けることを優先してください。迷ったら画角の広いレンズを選びます。
カメラの設定
| 項目 | 設定の目安 |
|---|---|
| モード | マニュアル露出 |
| シャッター速度 | 14mmなら25秒、20mmなら20秒、24mmなら15秒ほど |
| 絞り | 開放(F2.8より暗いレンズは、そのぶんISOを上げる) |
| ISO | F2.8なら3200〜6400、F1.4なら800〜1600 |
| ピント | マニュアル。明るい星を液晶で拡大して合わせ、テープで固定 |
| ホワイトバランス | 4000K前後(RAWならあとで調整できる) |
| 記録 | RAW |
| 手ブレ補正 | 三脚に載せたら切る |
| 長秒時ノイズ低減 | 切る |
| ドライブ | 連続撮影+レリーズ固定、またはインターバル撮影 |
長秒時ノイズ低減は必ず切る
長秒時ノイズ低減をオンにすると、撮影のあとに同じ時間の処理が入ります。20秒撮ると20秒止まるので、半分の時間は写らないことになります。流星を撮るときは切ってください。
シャッター速度は、星が流れない長さに
シャッターを長く開けると、地球の自転で星が線になります。「500 ÷ 焦点距離」秒が目安で、14mmなら約35秒ですが、余裕を見て短めにします。4000万画素を超える機種では、さらに半分くらいに抑えると星が点に近く写ります。計算の詳細は星空を撮る機材にまとめました。
撮り続けるための準備
20秒で撮り続けると、1時間に約170枚になります。RAWで撮るとカードの容量を使うので、空き容量を確かめておきます。バッテリーは寒さで持ちが落ちます。予備は体に近いポケットに入れて温めておき、交換するときだけ出します。
どこに向けるか
流星は放射点(ふたご座のカストル付近)から四方へ流れます。放射点の方向に向けると、流星は短く写ります。放射点から少し離れた方向に向けると、長い軌跡が入りやすくなります。空の暗い方角を優先して、街明かりが入らない向きを選んでください。
地上の風景を入れるなら、山の稜線や木のシルエットを画面の下に少しだけ入れると、スケールが伝わります。
場所と安全
- 街明かりから離れる。国立天文台の数字は空の暗い場所の予想です。町の明かりがあると見える数は減ります。
- 入ってよい場所か確かめる。私有地、農地、閉鎖された駐車場には入らないでください。
- 路上に三脚を立てない。暗い道で車から見えなくなります。
- 周りの人の暗順応を妨げない。ライトは赤色にするか、手元だけを照らします。車のヘッドライトにも気をつけます。
- 路面の凍結に注意する。12月の深夜は、山間部の道路が凍ることがあります。
寒さと結露の対策
放射冷却で冷える夜は、レンズの前玉が結露することがあります。気づかないまま撮り続けると、全部の写真がぼやけてしまいます。
- レンズヒーターを巻く。USB給電のものなら、モバイルバッテリーで動かせます。
- ときどき前玉を見る。30分に一度は曇っていないか確かめます。
- カメラを暖かい車内に出し入れしない。温度差で内部が結露します。戻すときは、袋に入れてから温度を慣らします。
- 自分の防寒が最優先。長時間動かずにいるので、スキーやキャンプと同じくらいの装備を見ておきます。手袋をしたまま操作できると楽です。
レンズの選び方
焦点距離は14〜24mm(フルサイズ換算)、開放F値はF2.8以下が目安です。流星を狙うならズームの広角端で十分で、広さを優先します。
RF16-28mm F2.8 IS STM:キヤノンの軽いF2.8
16mmからのF2.8ズームで、約445gです。星空にも日中の風景にも使えて、荷物を増やさずに済みます。
NIKKOR Z 17-28mm f/2.8:ニコンの軽いF2.8
17mmからのF2.8ズームで、約450gです。さらに広い14mmが欲しいなら14-24mm f/2.8 S(約650g)があります。
TAMRON 16-30mm F/2.8 Di III VXD G2:ソニーとニコンで使える
16mmからのF2.8ズームで、約440gです。Sony EとNikon Zの両方に用意されています。
より明るい単焦点や、APS-C、マイクロフォーサーズの選択肢は星空を撮る機材にマウント別でまとめました。
撮ったあと
流星が写った写真を選んだら、1枚でも十分です。複数の流星を1枚に重ねたいときは、比較明合成に対応したソフトを使います。星の位置は時間とともに動くので、地上の風景を入れている場合は、星空と別に重ねる必要があります。夜景全般の設定は夜景の撮り方にまとめました。
よくある質問
何時ごろがいちばんいいですか
国立天文台は、14日23時を過ぎて放射点が高くなる15日0時〜2時ごろをすすめています。1時間あたり約60個の予想です(東京付近、空の暗い場所)。
月は影響しますか
14日の夜の月は21時ごろまでに沈むので、それ以降はほとんど影響がありません。
東京の明るい空でも撮れますか
明るい流星なら写る可能性はありますが、写る数はかなり減ります。街明かりから離れるほど有利です。
キットレンズでも撮れますか
撮れますが、F4前後のレンズはF2.8より1段暗いので、ISOを2倍にする必要があります。写る流星は明るいものに限られます。まず広角端で試してみてください。
三脚は必要ですか
必要です。シャッターを十数秒開け続けるので、手持ちでは撮れません。風で揺れないよう、しっかりしたものを選んでください。



