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旅行に持っていく1本:高倍率ズームのおすすめ(マウント別)

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旅行の写真で後悔するのは、たいてい「レンズを替えている間にその瞬間が終わった」ときです。1本で広角から望遠までカバーできるレンズは、写りの理屈より先に、撮れる枚数を増やしてくれます。

この記事では、旅行に向く高倍率ズームをマウント別に1本ずつ紹介し、重さや寄れる距離、旅先での使いどころまで比べます。仕様の数値はメーカーの公表値です。

結論

  • 街歩きが中心なら 24-200mm クラス。広角端24mmで街並みが入り、200mmで対岸や建物の上部を切り取れます。
  • 自然や動物も撮るなら 28-400mm や 18-300mm。望遠端が伸びるぶん、望遠側は暗くなります。
  • 重さは600g前後を上限に。ボディと合わせて1.2kg前後。ここを超えると、旅行では持ち出す回数が減ります。
  • 夜と室内が多いなら、小さい単焦点を1本足す。35mmか50mmのF1.8クラスが200g前後で入ります。

候補の一覧

まず全体を一覧にします。APS-C用のレンズは、焦点距離の約1.5倍(キヤノンは約1.6倍)の画角で写ります。

マウント1本で通すなら焦点距離質量
Canon RF(APS-C)RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM18-150mm310g
Canon RF(フルサイズ)RF24-240mm F4-6.3 IS USM24-240mm750g
Nikon Z(APS-C)NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR18-140mm315g
Nikon Z(フルサイズ)NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR24-200mm570g
Nikon Z(望遠も)NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR28-400mm725g
Sony E(APS-C)E 18-135mm F3.5-5.6 OSS18-135mm325g
Sony E(フルサイズ)TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD28-200mm575g
APS-C各社(望遠も)TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD18-300mm620g
FUJIFILM XXF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR18-135mm490g
Lマウントほか(APS-C)SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS16-300mm615g
マイクロフォーサーズLUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 II14-140mm265g

フルサイズの高倍率ズーム

RF24-240mm F4-6.3 IS USM(Canon RF)

24mmから240mmまで、ちょうど10倍のズームです。レンズ内に手ブレ補正(IS)があり、望遠側でも手持ちで撮りやすくなっています。約750gで、この記事の候補の中ではいちばん重いレンズです。フルサイズのEOS Rと組むと1.2〜1.4kgになるので、「重さは600g前後まで」という目安からは外れますが、240mmまで1本で届く便利さを取るかどうかで決めてください。

NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(Nikon Z)

フルサイズで24mmから200mmまでを、約570gに収めたズームです。レンズ内に補正(VR)があり、フィルター径は67mmと、この焦点域としては控えめな太さです。街歩きでは、24mmの広さと200mmの切り取りの両方が効きます。

NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR(Nikon Z・望遠も)

400mmまで届くのに、標準ズームに近い携帯性です。約725gを重めと感じる人もいるかもしれませんが、標準ズームと望遠ズームの2本を持つよりずっと軽く小さく済みます。フルサイズ対応の高倍率ズームは少なく、それだけでも貴重な1本です。

角形のフードは前への張り出しが小さく、逆さに付けたままでもズーム全域を操作できるので、鞄から出してすぐ撮れます。最短0.2mまで寄れるので、旅先の料理や小物も撮れます。倍率と携帯性を考えれば画質は非常に優秀ですが、専用の標準ズームや望遠ズームには及ばない部分もあります。広角端が24mmでなく28mmなのも、少しだけ妥協です(24-200mmとの比較)。

TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Sony E)

広角端がF2.8と、高倍率ズームとしては明るいのが特徴です。夕方や室内でも粘れます。約575gで、最短0.19mまで寄れます。レンズに補正はないので、ボディ内補正のあるα7シリーズと組む前提です。広角端が28mmなので、狭い路地や室内の全景はやや窮屈です。

APS-Cの高倍率ズーム

RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM(Canon RF)

換算29-240mmを約310gで撮れる、EOS R50やR10の旅行用にちょうどよいズームです。ダブルズームキットの2本分をほぼ1本でまかなえます。最短0.17mまで寄れるので、旅先の料理や小物も撮れます。専用の望遠や明るい単焦点には写りで及びませんが、レンズ交換の手間と荷物を減らすための1本と割り切れば、満足度は高いはずです。

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR(Nikon Z)

換算27-210mmで、約315gです。Z50IIやZ fcに付けても小さくまとまり、補正(VR)もあります。最短0.2mまで寄れるので、望遠側で寄って背景をぼかす使い方もできます。

E 18-135mm F3.5-5.6 OSS(Sony E)

換算27-202mmで、まず目立つのは約325gという軽さです。α6400やα6700との収まりが良く、旅行で1日持ち歩いても負担になりません。広角端から望遠端まで写りが安定していて、AFは静かで速く、動く被写体も捉えます。駆動音が小さいので動画にも向きます。

ボディ内補正のあるα6700と組むと、レンズの補正(OSS)と一緒に働き、遅いシャッターでも手持ちで撮りやすくなります。「高倍率ズームは写りが落ちる」という昔のイメージは当てはまりません。

TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(Sony E・Nikon Z・FUJIFILM X・Canon RF)

APS-C用で換算27-450mm(キヤノンは約29-480mm)まで届く、16.7倍のズームです。驚くのは画質で、18mmから300mmまでどの焦点距離でも解像が安定しています。昔の高倍率ズームのように、絞り込んだり広角側を避けたりする工夫が要りません。周辺減光も全域で少なく、望遠側でもAFは速く迷いません。

約620gですが片手で持ち運べて、広角側では最短15cmまで寄れるので、ハーフマクロのような撮り方もできます。気になる点は、18mmで水平線がわずかに曲がることくらいです。フィルター径67mmは同じTAMRONの広角ズーム11-20mm F2.8と共通なので、2本で旅に出てもフィルターを使い回せます。

XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR(FUJIFILM X)

換算27-206mmで、補正(OIS)と防塵・防滴を備えた富士フイルム純正の高倍率ズームです。約490gで、雨や砂ぼこりのある旅先でも気を使わずに済むのが強みです。本体に補正のないX-T30 IIIのようなボディでは、レンズ側の補正が効いてきます。

SIGMA 16-300mm F3.5-6.7 DC OS(Lマウント・Sony E・Canon RF・FUJIFILM X)

広角端が16mm(換算24mm前後)から始まるのが、ほかのAPS-C用高倍率ズームとの違いです。18mm始まりのズームより一段広く撮れるので、街並みや室内の全景で差が出ます。望遠端は300mmまで届き、約615gで補正(OS)付きです。最短0.17mまで寄れて、最大0.5倍の接写もできます。

マイクロフォーサーズ

LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 II(マイクロフォーサーズ)

換算28-280mmで、約265gです。この記事の候補の中でいちばん軽く、マイクロフォーサーズの小ささがそのまま旅の身軽さになります。補正(POWER O.I.S.)付きで、荷物を最小にしたい人向けの1本です。

1本で通すか、2本に分けるか

 高倍率1本標準ズーム+単焦点
重さ500〜750g600〜800g
交換の手間なしあり
暗い場所弱い(F6.3〜8)強い(F1.8)
望遠200〜400mm70mmまで
向く旅観光地めぐり、家族旅行街歩き、夜の散歩、食事の記録

迷ったら高倍率1本です。写りの理屈では単焦点が有利ですが、旅行では「そのとき構えられたか」が写真の質を決めます。

持っていくものの目安

  • 予備バッテリー1個。寒い場所ではもっと減ります。機内持ち込み手荷物に入れてください(受託手荷物に入れられません)。
  • メモリーカードは2枚に分ける。1枚が壊れても全滅を避けられます。
  • 充電器かUSB-Cケーブル。最近のカメラは本体充電に対応しています。
  • レンズ保護フィルター。砂や潮風のある場所では、前玉の保険になります。
  • 小さなクロス。雨と指紋。これだけで写りが変わります。

三脚は、行き先によっては使えません(美術館、混雑した展望台、一部の寺社)。持っていくなら、事前に規則を確認してください。

海外へ持っていくときの注意

  • リチウムイオン電池は手荷物。予備バッテリーは受託手荷物に入れられません。端子をテープで保護します。
  • 雨と湿気。防塵防滴のレンズでも、完全防水ではありません。ジッパー袋を1枚入れておくと安心です。
  • 温度差の結露。冷房の効いた室内から屋外に出ると曇ります。外気に慣らしてから使います。
  • 撮影が禁止されている場所。宗教施設、軍事施設、一部の博物館。掲示に従ってください。

よくある質問

高倍率ズームは写りが悪いと聞きました

単焦点や大三元と比べれば、周辺や望遠端で差は出ます。ただし現行の製品は、SNSやプリント(A4程度)で差が分かるほどではありません。撮り逃さないことの価値のほうが大きい、というのがこの記事の立場です。

スマートフォンとの使い分けは

広角と記録はスマートフォン、望遠と暗所はカメラ、という分担が現実的です。高倍率ズームを持っていく意味は、200mm以上の望遠にあります。

旅行のためだけに買うのはもったいない気がします

旅行以外でも使える焦点距離を選べば、旅行専用にはなりません。24-105mmクラスは日常のスナップでもそのまま使えます。逆に18-300mmのような高倍率は、旅行と運動会の両方で活きます。